はじめに
電子処方箋を利用する際には、電子カルテの「HPKIログイン」から「HPKIセカンド電子証明書認証プラットフォーム」を開き、ログインする必要があります。セキュリティ上の理由からログイン状態を長期間保持することはできず、診療を行う日には毎回ログインし直すような運用になっている方も多いのではないでしょうか。
ログイン操作自体は難しいものではありませんが、その都度ユーザー名として医籍登録番号(6桁)を入力する必要があります。Google Chromeには標準のオートフィル機能もありますが、HPKIセカンドのようなログインフォームでは効かないことがあります。
そこで役立つのが、自分専用のChrome拡張機能(Extension)を使ったログイン補助です。ここでは、HPKIセカンド電子証明書認証プラットフォームへのログインに特化した、自作Chrome拡張による自動入力の仕組みを紹介します。
1自分専用のChrome拡張をつくる
Chrome拡張は、わずか2つのファイルだけで作ることができます。特別な開発環境も不要で、メモ帳でもOKです。
手順
- 任意の場所にフォルダを作成する(例:
auto-login/) - その中に
manifest.jsonとcontent.jsの2ファイルを作る
{
"manifest_version": 3,
"name": "My Auto Filler",
"version": "1.0",
"description": "特定のURLで自動的にユーザー名を入力する拡張機能",
"content_scripts": [
{
"matches": ["https://mahpki-auth.2nds.medis.or.jp/*"],
"js": ["content.js"],
"run_at": "document_idle"
}
]
}
content.js — ブラウザ上で実際に動作するスクリプト
const USERNAME = "your_id"; // ★必ず書き換える★ 例: "123456"(医籍登録番号6桁。ダブルクォートは残す)
const selectors = [
'input[name="username"]',
'input[id="username"]',
'input[type="text"]'
];
function fill() {
for (const sel of selectors) {
const el = document.querySelector(sel);
if (el) {
el.value = USERNAME;
el.dispatchEvent(new Event("input", { bubbles: true }));
el.dispatchEvent(new Event("change", { bubbles: true }));
break;
}
}
}
fill();
setTimeout(fill, 1000);
content.js 内の "your_id" を、ご自身の医籍登録番号(6桁)に書き換えてください。ここを変更しないと、フォームには文字通り your_id
という文字列が入力されてしまい、ログインできません。
- 医籍登録番号は先頭に0が付く場合があるため、数値ではなく文字列のまま(ダブルクォート
"で囲んだ状態)で保存してください。クォートを外して数値にしてしまうと、先頭の0が消えて桁数がずれます。 content.jsを編集して保存したあとは、chrome://extensionsの拡張機能カードにある「再読み込み」ボタン(円形の矢印アイコン)を押さないと、変更が反映されません。
2Chromeに読み込む
- Chromeを開き、「⋮」→「その他のツール」→「拡張機能」を開く
- 右上の「デベロッパーモード」をオンにする
- 「パッケージ化されていない拡張機能を読み込む」→ 先ほどのフォルダを選択する
- 有効化すれば準備完了
対象URL(https://mahpki-auth.2nds.medis.or.jp/***)にアクセスすると、自動的にユーザー名が入力されます。
ちなみに *** の部分は、https://mahpki-auth.2nds.medis.or.jp/ 以降のアドレスは任意という意味です。
4この方法のメリット
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入コスト | 無料・ファイル2つだけで完結 |
| 環境 | 電子カルテ+Chromeがあれば動作 |
| セキュリティ | ローカル実行で外部送信なし。扱うのはユーザー名のみ |
| 柔軟性 | HPKIセカンド以外の認証画面にも同じ考え方を応用可能 |
まとめ
Chrome拡張は「自分で動かす小さな自動化ツール」として非常に優秀です。電子処方箋のたびに繰り返すHPKIセカンドへのログイン補助など、日常の業務にそのまま活用できます。
ただし、扱う情報がセンシティブな場合は「公開」せず、自分専用のツールとして利用することが基本です。
— Clinic Tech Lab 編集部