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.zshrc 入門編

「よく打つコマンド」を
ボタン一つにしてみよう

.zshrc入門 ― ターミナルに自分だけのショートカットを増やして、日々の作業を少しずつラクにする方法。

$ alias la='ls -la'
2026年8月 Clinic Tech Lab 編集部 読了目安:7分
この記事はこんな人向けです
  • ターミナル(黒い画面)でcdやgitは一応打てるけど、毎回同じ長い文字列を打つのが地味にしんどい
  • 「ショートカット」とか「エイリアス」という言葉を聞いたことはあるけど、自分で作ったことはない
  • プログラミングはまだそんなに得意じゃない

そんな人が、今日から「よく使う操作」を短いコマンドにして、作業をちょっとラクにするための入門編です。むずかしい設定は出てきません。まずは3つだけ、実際に手を動かしてみましょう。

1そもそも .zshrc って何?

Macのターミナルを開くと、裏側では~/.zshrcという1つのファイルが必ず読み込まれています。これは「ターミナルを開くたびに読まれる、自分専用のメモ帳」だと思ってください。

このメモ帳に「◯◯と打ったら△△をやって」というルールを書いておくと、次にターミナルを開いたときからそのルール通りに動くようになります。今回作るショートカットも、全部このファイルに追記していきます。

まずはファイルを開いてみる

VS Codeが入っていれば:

terminal
code ~/.zshrc

VS Codeが入っていない場合は open -e ~/.zshrc でも開けます。まだ.zshrcが存在しない場合は、空のファイルとして新しく作られるだけなので心配いりません。

2ショートカットの仕組みはこれだけ:alias

一番シンプルな仕組みがalias(エイリアス=あだ名)です。書き方はたったこれだけ。

.zshrc
alias あだ名='本当に実行したいコマンド'

たとえば、いつも打っているls -la(隠しファイルも含めて一覧表示するコマンド)を、laという2文字にしたいなら:

ls -la → la
.zshrc
alias la='ls -la'

これを.zshrcの一番下に追記して保存し、下のコマンドをターミナルで打てば、その場からすぐ使えるようになります。

terminal
source ~/.zshrc

これが基本の流れです。「メモ帳に書く → 反映する → 使う」。あとはこれの繰り返しです。

3実践:3つだけ試してみる

01

フォルダ移動を1文字にする

普段よく行き来するフォルダがあれば、そこへのcdをあだ名にしてしまいましょう。

.zshrc
alias cd1='cd ~/project-a'
alias cd2='cd ~/project-c'

cd ~/project-aと長々打っていたのが、cd1の3文字で済むようになります。名前は好きにつけてOKですが、迷ったら「cd + 数字」や「cd + プロジェクト名の頭文字」がおすすめです(あとで見返したときに、何のショートカットか分かりやすいので)。

02

gitのよく使う操作を短くする

git操作は1日に何十回も打つので、短縮の効果がいちばん大きいところです。まずはこの5つだけ覚えれば十分です。

.zshrc
alias g='git status'   # 今の状態を確認
alias gd='git diff'    # 何を変更したか確認
alias ga='git add .'   # 変更をまとめて登録
alias gc='git commit -v'  # 登録した変更を保存(コミット)
alias gp='git push'    # GitHubに送る

これだけで、作業の流れが

before
git status
git add .
git commit -v
git push

から

after
g
ga
gc
gp

に短くなります。最初は「そんなに変わらないのでは?」と思うかもしれませんが、1日に何十回も打つものなので、積み重なると体感がかなり変わってきます。

03

地味に便利な小技2つ

.zshrcをすぐ開けるようにする

.zshrc
alias oz='code ~/.zshrc'

「ショートカットを追加したいな」と思ったときに、毎回パスを打たなくてもoz一発で編集画面を開けます。

編集後の反映を1つのコマンドにする

.zshrc
alias rz='source ~/.zshrc'

ozで開いて追記 → 保存 → rzで反映、というサイクルが全部ショートカットで完結します。

4作った .zshrc をGitHubに保存しておこう

ここまでで、.zshrcには自分だけのショートカットがいくつか増えているはずです。このファイルは、実はけっこう大事な「資産」です。もしMacが壊れたり買い替えたりしたら、今まで積み重ねてきたショートカットが全部消えてしまいます。それを防ぐために、GitHubに保存(バックアップ)しておきましょう。

1

保存用のフォルダを作る

terminal
mkdir ~/dotfiles

dotfilesは「設定ファイルたちを入れておく場所」につけられがちな、よくある名前です。

2

.zshrcをそのフォルダに移動する

terminal
mv ~/.zshrc ~/dotfiles/.zshrc
3

元の場所に「リンク」を張る

.zshrcは本来~/.zshrcにある必要があるので、実体は~/dotfilesに置いたまま、元の場所には「ショートカットアイコンのようなリンク」を作ります。

terminal
ln -s ~/dotfiles/.zshrc ~/.zshrc

これで、ターミナルからは今まで通り~/.zshrcとして見えるけれど、中身は~/dotfilesフォルダの中でgit管理できる、という状態になります。

4

GitHubにリポジトリ(保存場所)を作る

GitHubのサイトで「New repository」からdotfilesという名前のリポジトリを作成します(公開・非公開はお好みで)。作成すると、次にターミナルで打つコマンドが画面に表示されるので、それをコピーして使うのが簡単です。だいたい以下のような内容です。

terminal
cd ~/dotfiles
git init
git add .zshrc
git commit -m "最初のショートカットを保存"
git branch -M main
git remote add origin https://github.com/自分のユーザー名/dotfiles.git
git push -u origin main
5

次回からは、変更するたびに保存する

一度セットアップしてしまえば、次にショートカットを追加したときは、この3行だけで済みます。

terminal
cd ~/dotfiles
git add .zshrc
git commit -m "cd2を追加"
git push

これで、.zshrcに変更を加えるたびに「いつ・何を追加したか」がGitHub上に記録されていきます。Macを買い替えたときも、新しいMacでgit cloneして同じようにln -sでリンクを張り直すだけで、今まで作ってきたショートカットをそのまま持っていけます。

5ショートカットは少しずつ育てればOK

一度に全部そろえる必要はありません。おすすめの進め方はこうです。

1

同じコマンドを3回くらい手で打ったら、それはショートカット候補

→
2

ozで.zshrcを開いて、aliasを1行追加

→
3

rzで反映して、実際に使ってみる

→
4

しっくりこなければ、また開いて名前を変える・消す

→
5

うまくいったらga → gc → gpでGitHubに保存

↳ そしてまた 01 へ

この繰り返しだけで、.zshrcは少しずつ「自分専用の便利な道具箱」に育っていきます。

.zshrc入門シリーズ ・ 第1回