- ターミナル(黒い画面)で
cdやgitは一応打てるけど、毎回同じ長い文字列を打つのが地味にしんどい - 「ショートカット」とか「エイリアス」という言葉を聞いたことはあるけど、自分で作ったことはない
- プログラミングはまだそんなに得意じゃない
そんな人が、今日から「よく使う操作」を短いコマンドにして、作業をちょっとラクにするための入門編です。むずかしい設定は出てきません。まずは3つだけ、実際に手を動かしてみましょう。
1そもそも .zshrc って何?
Macのターミナルを開くと、裏側では~/.zshrcという1つのファイルが必ず読み込まれています。これは「ターミナルを開くたびに読まれる、自分専用のメモ帳」だと思ってください。
このメモ帳に「◯◯と打ったら△△をやって」というルールを書いておくと、次にターミナルを開いたときからそのルール通りに動くようになります。今回作るショートカットも、全部このファイルに追記していきます。
まずはファイルを開いてみる
VS Codeが入っていれば:
code ~/.zshrc
VS Codeが入っていない場合は open -e ~/.zshrc でも開けます。まだ.zshrcが存在しない場合は、空のファイルとして新しく作られるだけなので心配いりません。
2ショートカットの仕組みはこれだけ:alias
一番シンプルな仕組みがalias(エイリアス=あだ名)です。書き方はたったこれだけ。
alias あだ名='本当に実行したいコマンド'
たとえば、いつも打っているls -la(隠しファイルも含めて一覧表示するコマンド)を、laという2文字にしたいなら:
alias la='ls -la'
これを.zshrcの一番下に追記して保存し、下のコマンドをターミナルで打てば、その場からすぐ使えるようになります。
source ~/.zshrc
これが基本の流れです。「メモ帳に書く → 反映する → 使う」。あとはこれの繰り返しです。
3実践:3つだけ試してみる
フォルダ移動を1文字にする
普段よく行き来するフォルダがあれば、そこへのcdをあだ名にしてしまいましょう。
alias cd1='cd ~/project-a'
alias cd2='cd ~/project-c'
cd ~/project-aと長々打っていたのが、cd1の3文字で済むようになります。名前は好きにつけてOKですが、迷ったら「cd + 数字」や「cd + プロジェクト名の頭文字」がおすすめです(あとで見返したときに、何のショートカットか分かりやすいので)。
gitのよく使う操作を短くする
git操作は1日に何十回も打つので、短縮の効果がいちばん大きいところです。まずはこの5つだけ覚えれば十分です。
alias g='git status' # 今の状態を確認
alias gd='git diff' # 何を変更したか確認
alias ga='git add .' # 変更をまとめて登録
alias gc='git commit -v' # 登録した変更を保存(コミット)
alias gp='git push' # GitHubに送る
これだけで、作業の流れが
git status
git add .
git commit -v
git push
から
g
ga
gc
gp
に短くなります。最初は「そんなに変わらないのでは?」と思うかもしれませんが、1日に何十回も打つものなので、積み重なると体感がかなり変わってきます。
地味に便利な小技2つ
.zshrcをすぐ開けるようにする
alias oz='code ~/.zshrc'
「ショートカットを追加したいな」と思ったときに、毎回パスを打たなくてもoz一発で編集画面を開けます。
編集後の反映を1つのコマンドにする
alias rz='source ~/.zshrc'
ozで開いて追記 → 保存 → rzで反映、というサイクルが全部ショートカットで完結します。
4作った .zshrc をGitHubに保存しておこう
ここまでで、.zshrcには自分だけのショートカットがいくつか増えているはずです。このファイルは、実はけっこう大事な「資産」です。もしMacが壊れたり買い替えたりしたら、今まで積み重ねてきたショートカットが全部消えてしまいます。それを防ぐために、GitHubに保存(バックアップ)しておきましょう。
保存用のフォルダを作る
mkdir ~/dotfiles
dotfilesは「設定ファイルたちを入れておく場所」につけられがちな、よくある名前です。
.zshrcをそのフォルダに移動する
mv ~/.zshrc ~/dotfiles/.zshrc
元の場所に「リンク」を張る
.zshrcは本来~/.zshrcにある必要があるので、実体は~/dotfilesに置いたまま、元の場所には「ショートカットアイコンのようなリンク」を作ります。
ln -s ~/dotfiles/.zshrc ~/.zshrc
これで、ターミナルからは今まで通り~/.zshrcとして見えるけれど、中身は~/dotfilesフォルダの中でgit管理できる、という状態になります。
GitHubにリポジトリ(保存場所)を作る
GitHubのサイトで「New repository」からdotfilesという名前のリポジトリを作成します(公開・非公開はお好みで)。作成すると、次にターミナルで打つコマンドが画面に表示されるので、それをコピーして使うのが簡単です。だいたい以下のような内容です。
cd ~/dotfiles
git init
git add .zshrc
git commit -m "最初のショートカットを保存"
git branch -M main
git remote add origin https://github.com/自分のユーザー名/dotfiles.git
git push -u origin main
次回からは、変更するたびに保存する
一度セットアップしてしまえば、次にショートカットを追加したときは、この3行だけで済みます。
cd ~/dotfiles
git add .zshrc
git commit -m "cd2を追加"
git push
これで、.zshrcに変更を加えるたびに「いつ・何を追加したか」がGitHub上に記録されていきます。Macを買い替えたときも、新しいMacでgit cloneして同じようにln -sでリンクを張り直すだけで、今まで作ってきたショートカットをそのまま持っていけます。
5ショートカットは少しずつ育てればOK
一度に全部そろえる必要はありません。おすすめの進め方はこうです。
同じコマンドを3回くらい手で打ったら、それはショートカット候補
ozで.zshrcを開いて、aliasを1行追加
rzで反映して、実際に使ってみる
しっくりこなければ、また開いて名前を変える・消す
うまくいったらga → gc → gpでGitHubに保存
↳ そしてまた 01 へ
この繰り返しだけで、.zshrcは少しずつ「自分専用の便利な道具箱」に育っていきます。
次のステップ(応用編・予告)
今回紹介したのは「フォルダ移動」「git」「小技」といった基本のあだ名(alias)だけです。慣れてくると、
- 複数のプロジェクトを同時に開発するようになったら、開発サーバーの起動まで自動化する
- ファイル検索をもっと賢くする
といった、一歩進んだ仕組みも作れるようになります。この応用編については、また別の記事で紹介します。まずは今回の3つの実践から、自分がよく打つコマンドをショートカット化するところから始めてみてください。
— Clinic Tech Lab 編集部