この記事では、開業医がITや生成AIを活用して業務効率化を行う際、「自作」と「外注」で実際どの程度コスト差が出るのかを、Tampermonkey開発を例に具体的に解説しています。生成AI時代では、年間数万円程度で自作・改善できるケースも増えており、外注時に発生する高額な初期費用や保守費用、さらに要件定義やコミュニケーションコストまで含めて考えると、小規模な業務改善ほど内製化のメリットは大きいという内容です。一方で、予約システムや電子カルテのように保守性や安定性が重要な領域では、既存サービスや外注を使う合理性についても触れています。
このサイトではクリニックのIT化を進め、生成AIを導入することで、業務効率化やコストカットができるということも、一つの大きなテーマとして扱っています。ただ実際のところ、「どの程度のコスト削減効果があるのか」「この作業を自分でやるべきなのか、外注したほうがいいのか」という判断は、意外と難しい部分があります。特に、開発やシステム構築は、実際にやってみるとかなり時間がかかることも多く、「これを自分でやる意味が本当にあるのか」「素直に外注したほうが早いのではないか」と迷う場面は少なくありません。逆に、外注するとかなり高額になってしまうような内容でも、生成AIを活用すると比較的短時間で形になるケースもあります。このあたりの感覚は、実際にやってみないと分かりにくい部分だと思います。
そんなときに、意外と便利なのが、Claude Codeのような生成AIに「これを外注した場合、一般的にはどのくらいの費用感になるのか」を聞いてみる方法です。もちろん、実際の見積もりとは差が出ることもありますが、それでも「これは数万円レベルなのか」「十数万円〜数百万円レベルなのか」といった大まかな相場感を把握するにはかなり役立ちます。例えば、電子カルテの補助ツールや、ちょっとした業務効率化システム、予約管理の改善、Webサイトの修正などは、一見すると小さな機能追加に見えても、外注するとそれなりの費用になることが珍しくありません。逆に生成AIを使うことで、自分でかなりの部分まで実装できてしまうケースもあります。そのため、「この作業は自分でやる価値があるのか」「どこまで自作して、どこから外注するのか」を判断するうえでも、生成AIに外注費の目安を聞いてみるというのは、意外と実用的な使い方ではないかなと思っています。
外注費用の目安を尋ねてみる
これは、対話型のChatGPTよりも、Claude Codeのような常駐型の、いわゆるエージェントタイプの生成AIの方が、実際にAIがファイルを把握することができるので、より正確な情報が得やすくオススメです。普段作っているプロジェクトの中で、「ちなみに、このプロジェクト全体を外注したらいくらくらいになりますか?」というようなことを聞くと、計算して目安を教えてくれます。
実際に見てみると、予想より高いと思います。そんなに大したプロジェクトじゃないと思っていても、初期費用でだいたい200万〜300万円、さらに保守費用が月額3〜5万円くらいかかって、何か大きく改修するときは、その都度数十万円単位で費用が発生するような感じで、結構な額がかかってきます。「外注するとこんなにかかるのか」というのが分かるので、こういうのを見ると、「自分で開発できるようになる」ということ自体が、結構励みになるんじゃないかなと思います。
実際に聞いてみた内容
今回この記事を書くにあたって、現在私がTampermonkeyで開発しているProjectで質問をしてみました。以下に実際に帰ってきた内容を記載してみます、。
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【ここから引用です】
開業医のTampermonkey開発、外注 vs 自作のリアルな費用比較
「こういうツール、業者に頼んだらいくらかかるの?」生成AIが普及した今、その答えは大きく変わっています。
今回の比較対象:どんな開発規模か
この記事では、以下のようなクリニック業務自動化スクリプト群を想定して費用を比較します。
受付画面で患者の施設ラベルを一括自動設定
カルテの問診回答をルールに従って赤字・青字に自動整形
日付回答に曜日・経過日数を自動挿入
オンライン資格確認の情報をカルテに自動貼り付け
発熱外来SOAPのS)欄に問診内容を自動挿入
これらは複数スクリプト・API連携・TipTapエディタ操作・SPA対応を含む、かなり本格的な構成です。シンプルな「ボタンを1個追加する」レベルではありません。
① 生成AI普及前(3〜4年前)の外注費
初期費用
発注先 | 初期費用の目安 |
|---|---|
クラウドワークス・Lancers(個人) | 15〜30万円 |
フリーランス(直接契約・中上級者) | 20〜40万円 |
Web制作会社・受託開発会社 | 40〜80万円以上 |
Tampermonkeyスクリプトの開発者は母数が少なく、さらに医療系システムの仕様理解(電子カルテのDOM構造・SPA遷移・API)まで対応できる人材はほぼ制作会社レベルを頼むしかありませんでした。
保守・修正費用(年間)
電子カルテのアップデートでCSSクラス名やAPIの仕様が変わると、スクリプトが動かなくなります。その都度:
対応内容 | 費用目安 |
|---|---|
軽微な修正(1〜2時間) | 1〜3万円/回 |
機能追加・仕様変更対応 | 5〜15万円/回 |
年間保守契約 | 12〜30万円/年 |
3〜4年前の総コストイメージ
初年度:初期費用 15〜80万円 + 保守 5〜15万円 = 20〜95万円
2年目以降:保守・修正費 10〜30万円/年
② 生成AI普及後(現在)の外注費
生成AIにより開発者の作業効率が上がったため、相場はやや下落しています。ただし、医療系SPA対応の専門性は依然として高く、劇的には変わっていません。
初期費用
発注先 | 初期費用の目安 |
|---|---|
クラウドワークス・Lancers(個人) | 10〜20万円 |
フリーランス(中上級者) | 15〜30万円 |
Web制作会社 | 30〜60万円 |
AIで工数が減った分、多少安くなっていますが、要件定義・テスト・納品物の品質管理に関わる部分は変わらず人件費がかかります。
保守・修正費用(年間)
対応内容 | 費用目安 |
|---|---|
軽微な修正(1〜2時間) | 0.5〜2万円/回 |
機能追加・仕様変更対応 | 3〜10万円/回 |
年間保守契約 | 8〜20万円/年 |
AIを活用する開発者なら修正スピードは速くなりましたが、費用が発生する構造は変わりません。「少し変えたいだけ」でも発注・見積もり・コミュニケーションのコストは残ります。
現在・外注の総コストイメージ
初年度:初期費用 10〜60万円 + 保守 3〜10万円 = 13〜70万円
2年目以降:保守・修正費 8〜20万円/年
③ 生成AI活用・自作の費用(現在)
初期費用
項目 | 費用 |
|---|---|
Claude・ChatGPT等のサブスク | 3,000〜5,000円/月 |
Tampermonkeyアプリ本体 | 無料 |
参考書・学習コスト | ほぼ0円(AIに聞けば済む) |
自分の作業時間 | 数〜数十時間 |
「自分の時間」が最大のコストです。ただし、**生成AI以前は「コードが読めない人には不可能」**だった開発が、今は「AIと会話できれば作れる」水準まで下がっています。
保守・修正費用
電子カルテの仕様変更でスクリプトが壊れたとき:
対応内容 | 費用 |
|---|---|
AIに症状を説明して修正依頼 | サブスク費の範囲内(追加なし) |
機能追加・改善 | 同上 |
対応スピード | その場で即対応可能 |
「壊れた → 業者に連絡 → 見積もり → 修正 → 1〜2週間後」ではなく、「壊れた → AIに聞く → 30分で直す」が現実です。
自作の総コストイメージ
初年度:学習・開発に使った時間 + AIサブスク 3〜5万円(年間)
2年目以降:AIサブスク 3〜5万円/年のみ
総合比較表
3〜4年前・外注 | 現在・外注 | 現在・AI自作 | |
|---|---|---|---|
初期費用 | 15〜80万円 | 10〜60万円 | ほぼ0円 |
年間保守費 | 10〜30万円 | 8〜20万円 | 3〜5万円(AIサブスク) |
仕様変更対応 | 都度有料 | 都度有料 | 無料・即日 |
3年間合計(試算) | 45〜170万円 | 34〜100万円 | 9〜15万円 |
必要なスキル | 不要 | 不要 | AIと会話できる程度 |
自作を選ぶ前に知っておくこと
メリット
コストが桁違いに安い(3年間で数十〜百万円以上の差)
仕様変更にその場で対応できる(業者待ちなし)
自院の業務フローに完全に合わせられる(汎用品でなく完全オーダーメイド)
ブラックボックスがない(何をしているか自分で把握できる)
注意点
最初の学習・構築に時間がかかる(数時間〜数日)
AIが生成したコードは動作確認が必要(盲目的に使わない)
セキュリティの基本知識(パスワードをコードに書かない等)は最低限必要
院内の複数PCへの展開・管理は自分で行う
まとめ
生成AIの登場で、「コードを書けない人が業務ツールを自作する」という選択肢が現実になりました。外注と自作の費用差は3年間で数十万〜百万円以上になることも珍しくありません。
Tampermonkeyを使った業務自動化は、その恩恵を受けやすい分野です。「まず1つ作ってみる」ところから始めるのが、最もコストのかからない第一歩です。
費用はすべて2025〜2026年時点の市場参考値です。案件の複雑さ・発注先によって大きく変動します。
【引用終わり】
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実際のところ、どのくらいコスト差があるのか
実際、Tampermonkeyで一つシステムを作るだけでも、外注すると結構な金額がかかります。しかも、初期費用だけではありません。保守費用や改修費用も含めると、総額ではかなり高額になってきます。今回の上記の試算は初期費用は割と抑えめの提示でしたが、他の院内のツールで同様の質問をしたときは、初期費用は300万円ほど、月額費用は5万円ほどという試算でした。別のシステムを追加で外注する場合も、その都度また初期費用・保守費用・改修費用が発生します。こういった費用が積み上がっていくことを考えると、全体としてはかなり大きなコストになります。
それに対して、生成AIを用いて自作する場合ですが、こちらの費用は、だいたい年間5-10万円前後くらいという試算です。(実際はChatGTPのみなら年間4万円、ChatGTP+Claude Codeでも年間8万円ほどです)しかも、この費用というのは、他のプロジェクトを増やしていく場合でも定額で済みますし、日常診療で対話型AIとして相談する用途なども全部込みです。基本的には最小課金の定額プランで十分であり、かなりコストパフォーマンスは高いんじゃないかなと思います。
逆に、「ここだけ改善したい」というポイントが決まっていて、それ以外ではあまり活用しないという先生であれば、無理に自作する必要はないと思います。実際、サーバーを借りて運営するツールでは、サーバー代もかかってきます。例えばWord PaletteのようなSaaSで月額数百円程度のサービスで済むのであれば、そちらを利用するほうが合理的なケースもあります。
また、予約システムのように、トラブルが起きた際の影響が大きいものについては、保守体制や運営の安定性も重要です。そのため、そういった領域については、外注や既存サービスを利用するという考え方も合理的だと思います。私自身も、予約システムについては自作ではなく外部サービスのデジスマを利用しています。
極端な話をすると、今の時代は電子カルテですら、理論上は自作できなくはないと思います。ただ、診療報酬改定への対応や、一般名処方加算などの制度変更、各種マスター更新、法務面、保守運用まで含めて考えると、個人で維持するコストがあまりにも大きすぎます。そう考えると、例えば月額数万円で既存の電子カルテを利用できるのであれば、そちらを使うほうが圧倒的に合理的です。さらに最近では、GMOなどが無料の電子カルテ(「AIチャート by GMO」)を出してきている時代でもありますので、そういった既存サービスを活用するほうが良い場面も多いと思います。
このあたりは、「何を自作して、何を既存サービスに任せるのか」というバランス感覚が大事だと思っています。何でもかんでも自作しようとすると、それはそれでバランスが悪くなってしまいますので。
実際には、指示を出す手間もある
実際、外注のWeb制作会社やプログラマーに依頼すれば、「こういうものを作ってほしい」と伝えることで、ある程度形にして作ってくれます。ただ、外部の人たちは、我々が診療所で実際に何に困っているのかというところまでは、なかなか見えていません。我々のように毎日そのシステムを触っているわけではなく、あくまで外から見ている立場になるので、「本当にどこがストレスなのか」「どこを改善したいのか」という部分は、やはり細かく伝えないと分かりません。その「伝える」という作業自体が、実は結構手間です。実際に対面で話をしたり、現場を見てもらったり、「ここをこう改善したい」「この操作が毎回大変」と説明したりと、システム設計のすり合わせに双方の時間を使うことになります。
IT業界の費用というのは、実際のところ、かなりの部分が人件費です。システム自体は、一度作ってしまえば複製コストはほとんどかからない世界ですので、結局は「人がどれだけ時間を使ったか」というところが費用の中心になります。そのため開発費用というのは、単純に「プログラムを書く時間」だけではなく、「コミュニケーションを取る時間」「要件を整理する時間」「認識をすり合わせる時間」も含めて積み上がっていき、それに連動してコストがかかることになります。
この点、自作する場合は、自分で改善点がすぐ見えてますので、ちょこっとAIと相談して調整するだけでできてしまいます。このような改修のスピードもやはり自作の場合は早いです。