この記事では、生成AIに質問する際に「時間をいくらかけてもいいので、品質を優先してください」という一文を加えることで、回答の質が向上するように感じている、という実体験を紹介しています。 生成AIは現在、レスポンスの速さを重視する傾向があります。そのため、軽い質問や簡単な文章修正では素早い回答で十分ですが、診療ガイドラインの根拠確認、薬剤の使い分け、経営判断、システム設計のように深く考えてほしい場面では、あえて「急がなくてよい」と伝えることに意味があるのではないか、という内容です。 一方で、この文言を入れれば必ず回答が良くなるとは断定していません。生成AI自身に聞くと「関係ない」と返ってくることもあり、効果はモデルや質問内容、使用時間帯などにも左右される可能性があります。それでも、筆者自身の体感としては、深い回答が欲しい場面ではかなり有効なテクニックだと感じています。 また、生成AIの使い方は日々変化しており、完璧なマニュアルを学んでから始めるよりも、実際に触りながら少しずつ取り入れていくことが大切だと述べています。特に開業医にとっては、診療や業務効率化に役立つ可能性があるため、過度に怖がらず、基本的な注意を守りながら試してみることを勧めています。
生成AIの使い方には、本当にさまざまなテクニックがあります。そして、この分野は日々ものすごい勢いでアップデートされているため、少し前の知識でもすぐに陳腐化してしまいます。実際、数か月前には有効だった方法が、今ではそこまで重要ではなくなっていることも珍しくありません。
そのような中で、私自身が実際に日常的に使っていて、「これはかなり効果があるな」と感じている文言があります。それが、表題にもある「時間をいくらかけてもいいので、品質を優先してください」という一文です。この文言を加えると、生成AI側が明らかに“しっかり考えるモード”に入り、アウトプットの質が向上していると感じる場面がかなり多いです。少なくとも、私自身は日常的に使う中で、その差を実感しています。
今回は、この文言がなぜ有効なのか、また実際にどのような場面で使いやすいのかについて、少しご紹介できればと思います。
「時間をいくらかけてもいいので、品質を優先してください」という魔法の文言
こちらは表題の通りですが、生成AIにいろいろ質問を投げかけた最後に、「時間をいくらかけてもいいので、品質を優先してください」という文言を加えると、生成AIが考える時間が明らかに長くなる印象があります。実際、普通に質問を投げるだけの場合と比べると、もう一段深く考えた回答が返ってくることが多いように感じています。
具体的には、薬剤の使い分けや診療ガイドラインの根拠、あるいは少し複雑な経営判断やシステム構築など、「これはある程度深く考えてほしいな」と感じるテーマでは、この一文を最後に付け加えるだけでも、アウトプットの質がかなり変わる印象があります。特に、生成AIは質問の“期待値”をある程度読み取っているように感じていて、「簡潔に素早く返してほしい」のか、「時間をかけてでも深く考えてほしい」のかを明示するだけでも、回答の方向性がかなり変わるように感じています。実際、何も付け加えずにさらっと質問した時よりも、より踏み込んだ説明や、根拠を含めた整理された回答が返ってくることが多い印象です。
現代の生成AIはレスポンスの速さを最優先している
これは生成AI、特にチャット型の生成AIに関する話ですが、現在のサービスは「回答速度」をかなり重要視しているようです。実際、現代のユーザーは“待てない”人が増えており、考えている時間が長いだけで離脱してしまうケースが多いと言われています。つまり、たとえアウトプットの質が高かったとしても、回答までの待ち時間が長いと、その間に別の生成AIサービスへ移ってしまう可能性があるわけです。生成AI各社としては、ユーザーを離脱させないために、「まずは素早く返す」ということを非常に重視しているように感じます。感覚としては、Google検索で検索ボタンを押した瞬間に結果が表示されるような、“即時性”に近いものを期待されているのだと思います。シリコンバレーの企業も、そのスピード感に対するプレッシャーをかなり強く意識していると言われています。
そのため、ある意味では「多少内容が浅くても、回答をとにかく早く返す」という方向性が重視されやすい構造になっているようです。仕事に例えるなら、「返信はものすごく早いけれど、内容はそこまで深くない」というタイプのビジネスマンが、現代では一定の評価を受けやすい状況に近いのかもしれません。もちろん、すべての場面でそれが悪いわけではありません。軽い相談や、ちょっとした確認であれば、むしろスピードの方が重要なことも多いと思います。しかし、診療や経営、システム設計のように、ある程度深く考える必要があるテーマでは、「速さ優先」のままだと、どうしても浅い回答になりやすい部分があると感じています。
深い答えが欲しい時もある
一方で、我々が生成AIを使う場面というのは、単純にGoogle検索の代わりとして「ちょっと素早く調べる」という用途だけではありません。実際には、かなり深い内容を相談したり、複雑なことを調べたりするケースも多いと思います。例えば、「この診療方針の根拠となるガイドラインを示してほしい」「論文ベースで比較してほしい」「その情報の一次ソースを確認したい」といったように、ある程度しっかり調査や整理をしてほしい場面です。ただ、そのような深い質問に対しても、生成AI側が“とにかく早く返す”ことを優先してしまうと、現在の技術的な限界もあって、どうしても不正確さが入り込むことがあるようです。例えば、実際には存在しない情報をそれらしく補完してしまったり、不確実な情報を断定的に返してしまったりする、いわゆるハルシネーションの問題が起こりやすくなります。特に、医療や経営のような分野では、「それっぽい回答」では困る場面も多く、ある程度時間をかけてでも、より慎重に情報を整理してほしいケースがあります。
そのような時に、「時間をいくらかけてもいいので、品質を優先してください」という文言を付け加えると、生成AI側も“スピード優先ではなく、深く考える方向”に寄ってくれる印象があります。こちらとしても、「急がなくてよいので、しっかり調べてほしい」という意図を明示できるため、結果として、より整理された深いアウトプットが返ってきやすいように感じています。
しかしながら、生成AIに聞くとこれは関係ないと言っている
ただ、面白いことに、生成AIそのものに「この文言を入れるとアウトプットの質は良くなるのか」と直接質問してみると、「それほど関係ありません」というような回答が返ってくることがあります。実際、私が聞いた時もそのような返答でした。個人的には、「これは違うのでは??」と感じています。というのも、体感としては、やはり回答の深さや、内容が改善している印象があるからです。ただ、このあたりは内部仕様が完全に公開されているわけではないので、断定的なことはなかなか言えない部分でもあります。またこの手法を多くの人が使うようになると、生成AIのサーバー負荷が増えるため、シリコンバレーの会社としてはやめて欲しいのかもしれません。
もちろん、人によっては、「そういう文言を入れても特に変わらない」という意見があるのも事実です。そのため、使っている生成AIの種類やモデル、あるいは質問内容によっても差があるのかもしれません。例えば、軽い質問や単純な作業であれば、時間をかけてもそこまでアウトプットは変わらない可能性があります。一方で、複雑なテーマや、複数の要素を整理する必要がある質問では、多少時間をかけることで回答が深くなるケが多いです。結局のところ、このあたりは実際に自分で使いながら、「どういう場面で効果があるのか」を探っていくしかないのかなと思います。
また、生成AIは使用する時間帯によっても、アウトプットの質が変わるように感じることがあります。例えば、西洋圏で利用者が多い時間帯は、サーバー負荷などの影響なのか、やや反応が不安定だったり、アウトプットが浅く感じることがあります。逆に、日本時間の日中など、海外ユーザーの利用が比較的少ないと思われる時間帯では、比較的落ち着いていて、アウトプットの質が高いと感じる場面もあります。このあたりも、単純に「この文言を入れれば必ず良くなる」という話ではなく、複数の要素が絡んでいるのかもしれません。
そのため、この文言だけですべてが解決するとはもちろん言えません。ただ、少なくとも1ユーザーとして日常的に使っている感覚では、「時間をいくらかけてもいいので、品質を優先してください」という一文は、かなり有効なテクニックの一つではないかなと感じています。
この方法を知ったソース
私がこの方法を知ったのは、マコなり社長 が発信していた情報です。テクノロジーや生成AI活用についてかなり積極的に発信されていて、その中で「時間をいくらかけてもいいので、品質を優先してください」という文言について触れられていました。参考までにリンクも貼っておきますので、興味がある先生は見ていただければと思います。
「【結論】2026年、あなたの人生を変えるのは『これ』です TOP20」 の第一位(54:24~)でツールを自作することに触れられています。
こういう動画を一つ見ると分かるのですが、現在は関連動画にも生成AIの使い方や活用方法を解説するコンテンツが大量に出てきます。正直、教材や情報が多すぎて、何から手を付ければよいのか分からないくらいの状況になっていると思います。私自身も、自分がたまたま見たものの中で「これは良いな」と思ったものを実際に使ってみて、少しずつ取り入れながらアップデートしているような状態です。
そこで、これから生成AIを使い始める先生方に、ひとつお伝えしたいことがあります。医師という職業柄、どうしても「まず体系的に勉強して、マニュアルを理解してから使い始める」という考え方になりやすいと思います。もちろん、それ自体は非常に大切な手法だと思います。しかし、生成AIの分野に関しては、技術の進化スピードがあまりにも速く、マニュアルを作っている間に内容が古くなってしまうような状況があります。そのため、「完璧に理解してから始める」というやり方だと、逆にいつまでも触れないままになってしまうこともあります。なので、個人的には「まず触ってみる」「実際に使いながら覚える」というのが、一番早いのではないかなと思っています。
もちろん、不安が強い先生であれば、最初は普段使っているメインPCではなく、別の端末で試してみるのも一つの方法だと思います。重要なデータを入れていない環境で試しながら、ある程度慣れて、安全性についても理解できてきた段階で、日常診療の中に取り入れていくという流れでも十分良いと思います。逆に、あまり抵抗がない先生であれば、まず普通に使ってみても良いと思います。ただし、当然ですが、個人情報を不用意に貼り付けないなどの、基本的な注意は必要です。ただ、現在の主要な生成AIサービスは、以前よりもかなり安全性への配慮が進んでおり、適切に使えば、過度に怖がる必要はそこまでないのかなというのが個人的な印象です。実際、私自身も、普段の仕事で使っているPC環境の中に普通に生成AIを導入しています。
参考までに、私が比較的よく見ているソースも貼っておきます。もし興味があれば、少しずつ触れてみるきっかけにしていただければと思います。
まとめ
生成AIはまだ発展途上の技術ですが、質問の仕方ひとつでアウトプットがかなり変わるのも事実です。今回ご紹介した「時間をいくらかけてもいいので、品質を優先してください」という文言も、その中の一つのテクニックとして、もしよければ一度試してみていただければと思います。